ナルシー少年☆蛍斗くん


出店の方をぼんやり眺めていると少し離れた場所に不思議な人だかりができてるのを発見する。

女の人ばかり集まっていて、皆同じ方向を見ていた。

「ねぇ。なんかのイベントかなぁ?」


そう尋ねると桃汰くんはびっくりした表情をした。


「なんだ、気づいてなかったの?」

「え?」

「月山達だよ。」

「え゛?」

「ずっと俺らの後を付けてきてたじゃん。」

「はいッ!?」


全然気づかなかった。

蛍斗め。
今更何の用よ。

「一定の距離を保って付いてくるうちに囲まれたみたいだね。」


一時すると人だかりの中から蛍斗が出てきた。


「亜杜は?」

「もっと安全なとこにいるよ。」


よく目を凝らすと蛍斗から少し離れた場所でコチラをチラチラ見ていた。



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