かわいいきみ。~Strawberry girl*
僕がそう言えないのを知っていて、宇佐美はこういう意地の悪いことをする。

「‥あ、のさ。」

文句のひとつでも言ってやろうと顔を上げると、知らない声と顔。

「‥え、僕?」

「他に誰が居るんだよ、バカイチ。」

‥お前よりは馬鹿じゃないが。という文句も、この得体も知れぬ奴によってかき消された。

「あの‥萩原已智くん、だよね?華穂ちゃんと付き合ってるの?」

「「‥‥は?」」

そして綺麗に重なる僕と宇佐美の声。
< 9 / 22 >

この作品をシェア

pagetop