心詩 ー モウイチド、モドレルノナラ ー
..in 放課後..
学校が終わり、直接深紅の家に向かう。
その間、2人は無言だった。
…話す気分じゃないことを、深紅は悟ってくれたのだろう。
「………入って」
深紅の家につき、部屋に案内される。
深紅の部屋は至ってシンプルで、黒と白を基調にされた大人っぽい部屋だった。
私は、白のテーブルのそばに設置された、黒色の二人掛けの小さなソファに腰を降ろした。
「飲み物、もってくるね」
「………うん」
ガチャと音を立て、深紅は部屋を出ていく。
……はぁ。
なんか気使わさせちゃってるなー…。
そう思ってから、なんか急に手元が寂しく感じて近くにあったクッションを手繰り寄せる。
もう色々ありすぎて疲れた。
ため息しか出てこないよ…。
そう思ってると、足音が近づいてくるのが聞こえた。
――ガチャ――
「……はい」
深紅は私の目の前に持ってきてくれたオレンジジュースをコトと置く。
「…ありがと」
「………うん」
そう言って、2人無言になる。
私は、ガラスのコップを手に取り、オレンジジュースを一口、喉に流し込んだ。
私の前に座った深紅は私の手元をジッと見つめるだけで、なにもいわない。
ふぅ…。
一息ついて、私は視線を上げ、潤したばかりの口を開いた。
「あたしね、雅のことが好きなんだ」