【短編集】闇に潜む影
青い鳥が飛んでいく姿を見つめながら、
私は思うのだった。
幸せを感じようと。
幸せを感じるまでは、生きてみよう、と。
そこからどうするかは、またその時に考えてみれば良い。
・・・でも、
昨日の古田君の理屈だと、
私は一生、自殺なんてできない。
止めないよって、言ったくせに。
「私が来るのが早い方が、キミにとって良かったんじゃないの!?」
私は窓を開け放ち、青い鳥が飛び立った空に向かって大声で叫んだ。
きっと今頃、
昨日見せてくれた笑顔を浮かべながら、
私の言葉に答えてくれたのだろう。
「ダメだよ。まだキミは、幸せを知らないから」