【短編集】闇に潜む影
第3話:女、母、女
打って変わって、今度は虐待をする母親の心です。
虐待にもいろいろあって、
昔虐待されたから同じように子どもにしてしまったり、
子どもを大事にしたいのにできないというパターンも無きにしも非ずですが、
中には子どもを「物」のように扱う親がいることも事実。
しかも、虐待をする理由が、内縁の夫や彼氏に嫌われたくないという、
仕様もない理由だったりすることもある訳です。
だいぶ前にもそういうニュースを聞きました。
正確には、虐待する彼氏をあえて止めなかったというものでしたが。
そういう類の理由で虐待する女性の気持ちを書いてみました。
(本作は、彼氏と一緒にいられないという理由で虐待する母親でしたが)
「女、母、女」これは、母であることと、女であること、
どちらを選ぶかと、そういうニュアンスでこういうタイトルにしました。
虐待の結果、あまりにも悲しい死を迎える子どもがいる事実を耳にすると、
本当に心が痛むし、その親が許せない。
以前、ニュースでベランダの箱に詰めて窒息死させた親や、
最近は子供の喉にパンを突っ込んで死なせた親について報道されていましたね。
確かに親にもいろいろストレスがあったり辛かったりすることもあるけど、
それを、子供を虐待することに代えて発散させるなんて言語道断。
自分の全てを肯定してくれる人に全否定される悲しみが分からないのでしょうか。
そんな苦しみを子どもに与えてまで男にしがみつきたい理由なんてないのではないか。
そう思いながらこの話を書いていたので、
途中で主人公に対してはらわた煮えくり返りました。
お前いい加減にしろ、と張り倒したくなりました。
自分の書く話の主人公に怒りを覚えたのは初めてです。(笑)