【短編集】闇に潜む影
第2話:報復
つまらない。
代わり映えのない日常。
代わり映えのない生活。
子供のころからの悩み事。
このつまらなくてくだらない日常からどうやって抜け出せるのか。
私はこれを、中学時代に見つけた。
クラスには、私より下にいる人間がたくさんいた。
大して可愛くもない。
大して頭もよくない。
そういう人間の上に立って、
見下ろすのがとても快感だということに気が付いた。
皆が私にへつらい笑う。
私はそれらに少々の蜜と、大量の毒を与える。
それにもがき苦しみながら、それでも蜜を欲しがる者たちが、
私を退屈させなかった。
だけど、
蛆虫みたいなクラスメイトの中でも、
一人だけずば抜けている存在があった。
可愛くて。
頭も良くて。
スタイルも良くて。
女子にも男子にも、とてもモテた。
その存在は、私にとって、極めて目障りだった。