君のvoice。

「…何してんだか…」


自分に溜め息が出る。


「梅、飯食おうよ」


「…はいはい」


仕方無い…。


「わーい、サンキューな。
白梅、めちゃめちゃ好きやでv」


【めちゃめちゃ好きやで】


その言葉に深い意味はないのに…。


ただの、流れなのに…。


綾が発する言葉、ひとつひとつに、過剰に反応してしまう…。


頬が…


顔が…


耳が…


熱くなって、


朱に染め上がる…。


「…や…なに…言ってんのよ、バカっ」


「ほんまのことやで?」


真剣な瞳…。


そんな表情で、言わないでよ…。


「…お昼食べるんでしょ!?早く食べないと昼休み終わるわよ!?」


「あ、せやなぁ」


綾は腕時計を見る。


あたしは、弁当を机の上に広げる。


ぐるりと教室を見渡す。


何処見ても、男、男、男、男…………。


やっぱり、綾の言った通り…。

このAクラスには、女の子があたし以外居ないみたいです…。

しかも、担任曰わく。

「このAクラスには、基本的に他クラスの奴らは近付けない」

らしい…。

なんでも、Aクラスは美形揃いで…。

他クラスから、女子が集まるらしい…。

だから、今年から立ち入り禁止にしたのだとか……。


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