君のvoice。
「…余計なことしてくれちゃって……」
「白梅、何か言った?」
「…別に」
ぼそりと呟いただけなのに…どうしてコイツは反応するのか…。
不思議だわ…。
―~♪
「…あ、…俺や…。
ちょぉ、電話してくるわ…」
「お仕事ですか」
「ん、そうみたいやな~」
鳴り響く携帯を持ち、綾は教室を出て行った。
…ふむ。
人間というものは、すごく不思議な生き物だ。
さっきまで、ウザくてウザくて、離れてほしかったのに…
いざ、ソイツが居なくなると、寂しいと思ってしまう…。
…ホントに、不思議だ。
しかも、モヤモヤとした気持ちが湧き上がる。
「…あー、なんか嫌。
綾のせいだ…」
今頃、綾は客の女に甘い言葉を吐いてるんだと思うと、何やら…モヤモヤ……。
「………」
変な、気分…。
「よ…っと、終わった終わった~」
悶々と悩んでいた時、綾が戻ってきた。
「いやはや、しつこい奴やったわ…。
あー、疲れた…」
「ふーん…」
「あとは、会うんが終わればなー…」
「そんなこと言って、女の人に会うの好きなんじゃないの?」
「ん~?」
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