夏に溺れかけた恋

ママよう子「あら、お連れさん帰られたの

ママよう子「あら、お連れさん帰られたの?あらビールが入ってないわ」
注釈(二人の会話に、何事もなかったようにママよう子が会話に入ってきた。それを見た室田が栗矢に小声で言った。)
室田「やっぱり、お前が助けた女だ。」
栗矢「えっ、俺が、いつ?」
室田「今日の昼に決まっているだろう。岩場にいた時、お前が助けたじゃないか。」
栗矢「あの子が?・・・実は顔をあんまり見てない、形相が物凄かったからな。」
ヒロミ「ねえ、何か歌わない?」
注釈(室田が歌の選曲を始める。その頃ママよう子が、フミヨたちに店のバイトを勧め始めた。)
フミヨ「さあ明日から、仕事を探さないといけない!」
ママよう子「あら、仕事を探しているの?」
マナミ「この子、東京から引き上げて来たばっかりなの。」
フミヨ「あっちに4年ほど居たけど、やっぱりこっちの方がいいわ。」
ママよう子「そう、よかったら、うちでバイトしない?一人やめて困っていたのよ。」
マナミ「やんなさいよ!仕事が決まるまででも、いいじゃない。」
フミヨ「どうしようかな。」
ママよう子「お昼の仕事が見つかるまで、来てみない?」
注釈(迷っていたフミヨは、とりあえず小さくうなずき承諾をした。室田がカラオケを歌い終わる頃に、栗矢は勘定の仕草をして、室田に先に帰ると伝える。)
ヒロミ「もう帰るの?」
栗矢「ああ、頼む、先に帰るぜ。」
室田「もう帰るのか?じゃ俺も。」
まなみ「あら、あのときの。」
注釈(まなみが、岩礁の上に居た栗矢と室田に気が付いて室田に話しかけるが、栗矢はそのまま店の外に出て行った。二人はそのまま立ち話しをしていた。)



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