夏に溺れかけた恋

回想（スーパーマーケットで買い物をした室田が、出入り口でたたずんでいる。外は雨がドシャ降りなので、仕方なく雨が上がるのを待っているところに、駐車場の軽自動車から傘を差した女性が現れた。その女性は室田を見ると会釈をしたが、室田はすぐには気が付かなかったが、女の声で思い出して笑顔で挨拶をした。）
女「こんにちは、また会いましたね」
室田「え、あっ、ああ、この間の・・・」
女「今日は買い物ですか？」
室田「ええ、食材を買いに、いつもは外食が多いけど、休みの日は自炊をする事にしている。」
女「お一人ですか？男の人が料理するって、すごいですね。」
室田「独身ですから仕方がないですよ。」
注釈（室田が、雨宿りをしている事に気づくと、女は自分の傘を差し出した。」
女「この雨でお困りでしょう。よかったらこの傘を使ってください。どうぞ・・・」
室田「でも、あなたが困るでしょう。」
女「私の買い物は時間が掛かりますから、帰る頃には雨は上がっているでしょうし、それにクルマが有りますから大丈夫ですよ。」