夏に溺れかけた恋
栗矢「そんなに、大変なのか。」
ナレーション「マナミの両親は室田の母親の話しを、どれだけ信じられるだろうか。室田と自分の境遇の違いに、沈む栗矢だった。」栗矢「ここにサインください。」
注釈(栗矢は仕事の言葉で、丁寧にフミヨに言った。)
フミヨ「ハーイ、そうだ所長がもうすぐ戻るけど、待っている?」
栗矢「いや、営業担当者の方から電話させるよ。」
フミヨ「そうね、見積もりが欲しいって言っていたから、その方がいいかもね。」
栗矢「失礼します。じゃね。」
フミヨ「ねえねえ、今晩来るの?待っているから、この頃会っていないし必ず来てね!」
注釈(栗矢は、うなずくだけで表に出た、窓からフミヨが手を振っているのが見えたら、栗矢は思わずつぶやいた。)
栗矢「一昨日も会ったのに、いつも晩飯を食べに行くのに。」
ナレーション「栗矢は、お盆に帰省して両親に言われた、跡継ぎの事を思い出した。それと、フミヨの気持ちも確かめたいが、室田のように出来ない自分に、はがゆい気持ちになっていた。」

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