夏に溺れかけた恋

ナレーション「ヒロヨシと高大は、親子を装って

ナレーション「ヒロヨシと高大は、親子を装っているが本当は異母兄弟だった、一昨年他界した栗右ェ門(善三郎)が志乃という女に生ませた子供がヒロヨシだった。広大とは年齢が二周りも違うので、親子として振る舞っていた。」
注釈(栗矢は、駐車場に停めた勤め先のライトバンの中で、手紙を読み返していた。その後、運転中に前方の車が停止したのに気づかず、追突しそうになり、慌てて急ブレーキをかけて止まった)
(キキーッ)
栗矢「あっ、・・・危ないとこだった。」
注釈(栗矢が何軒か得意先回りをした後、室田から栗矢の携帯電話にかかってくる。)
(ピッピッピッ)
栗矢「はい栗矢です。何だよ今頃、電話するなんて珍しいな、急用か?」
室田「急用って事じゃないけど、今晩あの店に行くだろう?」
栗矢「今晩か?他には用事は無いから行くけど。」
室田「ちょっと話しがあるから、待っていてくれないか。」
栗矢「わかった。」

注釈(場面は夜の居酒屋に変わる。室田が、一人ではしゃいでいた。)
ママよう子「もう一緒に住んでいるの?だから近頃来なかったのね。」
ヒロミ「おいしい手料理があるからね、少し太ったみたい、そうじゃない?」
室田「うーん、晩飯があるのは嬉しいね、たまには俺も腕を振るって作るぜ。でも掃除洗濯は助かるね、俺は掃除が苦手だから、マナはきれい好きだから本当に良かった。」
ヒロミ「へー、マナって呼んでいるの、室田さんは何て呼ばれているの?」
室田「俺?いや、なんだろう。」
ママよう子「だから、アナタとか、下の名前とかあるでしょう?」
室田「エー、どうでもいいだろう。」
ママよう子「アー赤くなった!」
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