夏に溺れかけた恋

高大「急に色んな事言ったら、判らなくなる

高大「急に色んな事言ったら、判らなくなるな。今はゆっくり休みなさい。」
フミヨ「私はこれで失礼します。栗さんではまた。」
注釈(フミヨが部屋を出て行くが、ドア越しに部屋の声が漏れて、それを聞いたフミヨの表情が変わった。)
信子「あの方いい人じゃない、将来を考えているの?」
栗矢「今の人、誰?それにジシンって?何なの、何が起こったの?」
信子「何も覚えてないの?帰省した時に話していた、戸永フミヨさんじゃないの?」
栗矢「・・・・・」
注釈(ドアをノックする音がして、室田が部屋に入ってきた。)
(コンコン)
室田「こんにちは、おっ元気になったじゃないか。そこで富美ちゃんに会ったぞ。」
高大「女の人かい?」
室田「はい、戸永フミヨ、栗矢のイイ人だよなぁ、彼女涙目だったぞ!よっぽど嬉しかったのかな、昨日来た時はどうなるのかと、心配したぞ。」
信子「あなたの所は大丈夫だった?」
室田「うちは鉄筋ビルのマンションだったんで、さほどは揺れませんでした。」
高大「揺れた割には、壊れた建物はあまりないようだね。」
室田「飛んできた物が、ぶつかったと聞きました。彼女と一緒だったから、良かったんですよ。」  
高大「もう一度、お礼を言っておいた方がいいな。」
信子「そうね、また来てくれるかしら。」
ナレーション「フミヨとの海での出会いと、その後の再会を、室田が話して聞かせた。)
室田「海でお前が彼女を助けて、今度は反対に彼女がお前を助けた、お前たちは縁があるんだな。」

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