夏に溺れかけた恋

フミヨ「しらけた？」

フミヨ「しらけた？」
栗矢「いや、あきれた。お見合いなんて考えないの？」
フミヨ「お見合い？そんな事したこと無いわよ、栗さんはしたことあるの？」
栗矢「数える程だけど。」
フミヨ「で、それでどんな風なの？興味アルー！」
栗矢「・・・・・・？」（しらけ顔）

注釈（場面は変わり、居酒屋で栗矢と室田がビールを飲んでいる。）
ママよう子「エー、ドイツ！ドイツに行くの栗ちゃん。いいなぁ、ヨーロッパのドイツよねぇ」
室田「ヨーロッパ以外にドイツはないの、それでいつ行くんだい、もう近いのか？」
栗矢「今度の検査でよかったら、１ヶ月後には行く予定だ。」
ヒロミ「どのくらい滞在するの？寂しくなるなぁ。」
栗矢「２年の予定だけど、長くなるかも知れないし、短くなってすぐ帰ってくるかも知れないよ。」
室田「日本に戻っても、此処には帰って来ないよ、栗矢は実家に戻るのだから。」
ヒロミ「じゃ、もう会えないの？」
ママよう子「大げさな！帰ってきたら顔ぐらい見せるわよ！富美ちゃんに会いに来るわよねぇ。」
室田「でもドイツは遠いな、１年２年といっても会えなくなるのは間違いないからな。見送りは行くからな。」
ママよう子「帰る前に送別会をしよう！みんなで飲みましょうよ。」

注釈（場面は変わって、出発の日の空港に、栗矢が待合いロビーにいる。）
ナレーション「フミヨとの恋に終止符をうったかのように、空港のターミナルに一人栗矢が立っている。もうすぐ搭乗口に入ろうとした時に、室田とマナミの夫婦が見送りに到着した。」
室田「もう行くのか？まだ早いだろう。」
マナミ「富美ちゃんも、見送りに来るって言っていたから、もう少し待って。」
栗矢「彼女には、さよならは言ったから見送りには、来ないかもしれない。」
注釈（フミヨが走って近づいて来る）
マナミ「あっ来た、こっちよ！遅かったじゃない！」
フミヨ「間に合ってよかった。」
栗矢「・・・・」