夏に溺れかけた恋

フミヨ「栗さん、栗さん、クリサ-ン、ウワァン

フミヨ「栗さん、栗さん、クリサ-ン、ウワァン、ウワァン、ごめんね、ごめんね。 栗さん!どこにいるの!イヤー」
注釈(フミヨは力なく、その場に座り込む。
その頃、栗矢は何事も無かったように、先ほどの幼児を肩車に乗せ母親と話しながら、次のゲートの方に歩いていった。)
ナレーション「泣き叫ぶフミヨは、ガラス窓の前に座り込んでしまった。海で溺れかけたフミヨが、空港ですべてを思い出し、夏の恋にやっと気が付いた。こんどは栗矢の方が、その恋を見失ってドイツに旅立って行く、それは、枯葉が舞い落ちる頃、もう夏服では肌寒い季節になっていた。」
注釈(出演者登場人物の名前が、字幕で流れ出す)
エピローグ
注釈(栗矢が飛行機の中に消えた後、空港ビルの館内アナウンスが鳴る。)
アナウンス「戸永フミヨ様、戸永フミヨ様、インフォメーションカウンターにメッセージが届いております。出口中央のカウンターにお越しください。」           
注釈(フミヨ達3人は、メッセージを取りにそのカウンターに向かった)
フミヨ「アナウンスがあった、戸永フミヨですが。」
カウンター嬢「搭乗口ロビーの栗矢様から、こちらがメッセージです。」
注釈(カウンター嬢は、戸永フミヨ様と書いた封筒を差し出した。フミヨはその場で手紙を開封した。)
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