Do-tex《警察秘密結社》
第一話[始り]
俺はこの国に対し、不満しか抱いていない。
何処へ行っても人だらけで、暑苦しくて仕方がない位だ。
「明日は買い出しだぜ。」
エプロンを身にまとって台所に立っているのが、この俺〈田名部 聡〉。
「えーと、野菜炒め用バラ肉が残ってて、…やべっ!玉葱キレてる。」
エプロンを身にまとったまま家を飛び出した。
日本の首都にもなっているここ東京。
日本の人口の5分の3がここ東京に集中している。
「あっ!……買い出しに行くのは明日だったな。」
俺はマンションの階段の途中で思い出した。
「あれ?田名部さんじゃないか!何でそんな所で突っ立ってるんですか?」
あの人は確か、俺の部屋の丁度真下に住んでいる 305号室さんだ。
「あんたは305号室さん。…別に何でもないですよ!」
俺は階段を上がっていった。