ハスキーボイス
「今日消しゴム忘れちゃってさぁ、隣がメガネだから貸しててって言ったら、筆箱から消しゴム出すときに中身ごとひっくり返しちゃって、手伝わされたの。何であんなメガネなんかに!」
「まぁまぁ」
あたしは、慌てて真奈美の怒りを抑える。
「ホント、あのメガネやだ。どんくさいし!」
まだブツブツと愚痴をこぼしている。
「あなたたち、元気なら教室戻りなさいよ」
保健室の先生が、ちょうど入ってきた。
「はいはい」
あたしたちは、急いで立つと教室に戻った。