ハスキーボイス



「じゃあ、放課後合コン忘れないでね」



真奈美が席に戻るとき、こそっとつぶやいた。



「分かってるって」



カバンに教科書類を詰め込みながら言う。



合コンの経験は、何十回というほどある。


何回かタイプの人にも出会ったことはあるし、帰りに告白されたこともある。


しかし、付き合ったことはなかった。


その人に対して、ときめきというものがなかったからだ。




< 7 / 20 >

この作品をシェア

pagetop