Look ON!
「っ……訳分からんわっ!」
誰にあてた訳でもない。
ただそう言わずにはいられなかったのだ……
駆けてきた数名の警官達にすら何も言わず靖也は華南の居る倉庫へ向かった。
「中嶋さん、あの本部までお送り致しましょうか?」
「そうしてくれたら助かるわ。俺の車、もう使いもんにならんから……」
ほとんど忘れかけていた肩の傷を警官の一人に気付かれた靖也は手当てを受けていた。
もちろん、すでに華南もそうされていた様で白い包帯が無造作に置かれていた。
「どうするんだ? さっきのヤツ」
「知るかっ……何も情報聞きだせんまま死んだわ」
「自害……なのか?」
「んな訳ないやろ。殺されたんや、おそらく意図的に……」
これで大丈夫だと思います。と、告げて靖也を解放した警官に「悪いな」と、答え靖也は煙草とライターを取り出す。
珍しく、むしゃくしゃして仕方がなかった……
額に手を当て考え込む姿はどう見ても20そこそこには見えない。
コツコツと空いた手の指先で机を鳴らすものだからそのイラつき様は華南にも良く分かっていた。
音を鳴らすのをやめてはため息をついたり、舌打ちをしたり……
正直こんなにも"怒り"を露にする靖也を見たことがなかったので少しばかりか華南も戸惑いを隠せないでいる。
「……何や」
「いや……何も、ない……」
フイッと顔をそらして一点を睨みつける靖也を華南はただ眺めていた。
「遅くなってすみません、お車用意できました……」
「助かるわ。あぁ、送ってもらうのに文句付けるほど性格悪ないで?」
少し引き腰の警官を見かねて靖也は笑う。
声のトーンは高く、それだけ聞いていれば普段の靖也と全く変わりないのだが……
顔は明らかに笑っていなかった。
その所為か、警官も顔が僅かに引きつっている。
様子を見ていた華南は警官がゴクリと唾を飲み込んだのを見逃さなかった。
そして、そんな警官に哀れみの目さえ向ける。
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誰にあてた訳でもない。
ただそう言わずにはいられなかったのだ……
駆けてきた数名の警官達にすら何も言わず靖也は華南の居る倉庫へ向かった。
「中嶋さん、あの本部までお送り致しましょうか?」
「そうしてくれたら助かるわ。俺の車、もう使いもんにならんから……」
ほとんど忘れかけていた肩の傷を警官の一人に気付かれた靖也は手当てを受けていた。
もちろん、すでに華南もそうされていた様で白い包帯が無造作に置かれていた。
「どうするんだ? さっきのヤツ」
「知るかっ……何も情報聞きだせんまま死んだわ」
「自害……なのか?」
「んな訳ないやろ。殺されたんや、おそらく意図的に……」
これで大丈夫だと思います。と、告げて靖也を解放した警官に「悪いな」と、答え靖也は煙草とライターを取り出す。
珍しく、むしゃくしゃして仕方がなかった……
額に手を当て考え込む姿はどう見ても20そこそこには見えない。
コツコツと空いた手の指先で机を鳴らすものだからそのイラつき様は華南にも良く分かっていた。
音を鳴らすのをやめてはため息をついたり、舌打ちをしたり……
正直こんなにも"怒り"を露にする靖也を見たことがなかったので少しばかりか華南も戸惑いを隠せないでいる。
「……何や」
「いや……何も、ない……」
フイッと顔をそらして一点を睨みつける靖也を華南はただ眺めていた。
「遅くなってすみません、お車用意できました……」
「助かるわ。あぁ、送ってもらうのに文句付けるほど性格悪ないで?」
少し引き腰の警官を見かねて靖也は笑う。
声のトーンは高く、それだけ聞いていれば普段の靖也と全く変わりないのだが……
顔は明らかに笑っていなかった。
その所為か、警官も顔が僅かに引きつっている。
様子を見ていた華南は警官がゴクリと唾を飲み込んだのを見逃さなかった。
そして、そんな警官に哀れみの目さえ向ける。
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