Look ON!
「で、だ。山崎の調べた結果によると集団の人数は下っ端も含めて32人。
全員が銃を握れるし、殺人を何とも思っちゃいない……全く悲しいもんだな。まぁこんな世の中だ、仕方がないといえば仕方がない。
しかし、そんな集団はこれからの社会に居られちゃ困る……我々にとっても、新政府にとってもな? 最低務所送り、時と場合で抹殺……」

手を組んでソファに深く座り美咲はその場に居た隊員一人一人を見回した。

「3日後、潰しに行くぞ」
「「――了解」」

俯いた靖也はフッと誰かが笑った気配を感じた。

「人員は多いにこしたことはない、けどそれなりの人間じゃないと無理だと思ってる。そこでお前等を集めたんだが……」

美咲はテーブルの上に置かれていた煙草の箱を手に取った。
そして銀のライターをポケットから取り出して火をつける……
ジュッという独特の音が響き、しかしそれも口を開いた要の声にかき消されていった。

「分かってるさ、此処にいる上の人間はまぁ参戦だろ?」

俺も、と要は美咲の手から放り投げられた煙草の箱を受け取ると一本取り出した。
そして、隣の靖也に「いるか?」と一言勧める。
横に首を振るかわりに靖也が右手を方の高さまで上げると、要はテーブルに煙草を戻した。

「そうね、異議はないわ」

やっと資料から顔を上げた夏菜に美咲はニヤリと笑ってみせる。
その笑みに、ふっと口元だけを歪めると夏菜でさえもが煙草の箱に手をつけた。

「もちろん美咲も私も今回は加わります」

黒いノートパソコンをパタリと閉じると希は「ねぇ?」と美咲に尋ねた。
無言でうなずき煙を吐き出す美咲に「貴方って人は……」と希は肩を落とすが何処か楽しそうにさえ見る。

「局長はともかく、副長もか。まぁ作戦参謀は俺と希ってコトになるよな」

徹は夏菜の見おわった資料を手にとってパラパラとめくっている。
「そういうことになりますね」と、希の返事が返ると資料をようやく顔を上げた靖也に投げて渡した。
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