Look ON!
「お前も来るんだろ、靖也」
美咲の隣でずっと立ったままだった伊織はそうすることが当たり前のように靖也を見た。
受け取った資料に目を通そうと再び視線を落とした靖也は、伊織の言葉に顔を上げなおす。
何とも言えない……そんなことが言いたさげな顔を見て美咲は苦笑した。
「……靖也」
久しぶりに美咲に呼ばれた名前に、靖也も苦笑しながら「えぇよ、行くわ」とだけ答えたのだった。
「水城はどうする? 連れて行って構わないと思って此処に居させた」
「華南にはまだ早いんちゃう? 俺らで充分やろ」
かなり短くなった煙草をガラスの灰皿に押しつけて美咲はテーブルの上の煙草をポケットにしまった。
いきなり話をふられた華南は少し驚いたようで「え……」とか「あぁ……」とか一人唸っている。
そして、そんな華南の様子を見かねた靖也がかわりに返事をしたのだった。
「なっ、私はもう子供じゃないっ」
「そういうとこがまだまだ餓鬼やねんて」
華南を見ずに靖也はそうぼやく。
手元の資料を見ているが本当は内容など頭に入っていなかった……
ただ、"連れて行きたくない"と、そう思うだけだった。
「水城の成績は上々、充分な腕前もある。私は良い経験になると思うぞ?」
「せやかて、まだ本間に人を殺めたこともない……足引っ張るだけやと思うで」
「足を引っ張るだ? ……っお前は私の保護者か何かか!? 行く行かないくらい自分で決められる!」
_
美咲の隣でずっと立ったままだった伊織はそうすることが当たり前のように靖也を見た。
受け取った資料に目を通そうと再び視線を落とした靖也は、伊織の言葉に顔を上げなおす。
何とも言えない……そんなことが言いたさげな顔を見て美咲は苦笑した。
「……靖也」
久しぶりに美咲に呼ばれた名前に、靖也も苦笑しながら「えぇよ、行くわ」とだけ答えたのだった。
「水城はどうする? 連れて行って構わないと思って此処に居させた」
「華南にはまだ早いんちゃう? 俺らで充分やろ」
かなり短くなった煙草をガラスの灰皿に押しつけて美咲はテーブルの上の煙草をポケットにしまった。
いきなり話をふられた華南は少し驚いたようで「え……」とか「あぁ……」とか一人唸っている。
そして、そんな華南の様子を見かねた靖也がかわりに返事をしたのだった。
「なっ、私はもう子供じゃないっ」
「そういうとこがまだまだ餓鬼やねんて」
華南を見ずに靖也はそうぼやく。
手元の資料を見ているが本当は内容など頭に入っていなかった……
ただ、"連れて行きたくない"と、そう思うだけだった。
「水城の成績は上々、充分な腕前もある。私は良い経験になると思うぞ?」
「せやかて、まだ本間に人を殺めたこともない……足引っ張るだけやと思うで」
「足を引っ張るだ? ……っお前は私の保護者か何かか!? 行く行かないくらい自分で決められる!」
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