恋をしてたら…
コーヒーを飲むふりをして。

さりげなく、佐々木さんの横に座る。



激しく抱き合ったばかりの私のカラダは充たされていて、

ちっとも 喉は 渇いてない。


それにー。

せっかく キスをしたのに、他の物に 唇をつけたくない。


コーヒーカップに口はつけず、カップを軽く口に近づけただけでテーブルに置いた。


何もそんなに近づく必要はないだろ?と思われる一歩手前の距離にチョコンと座る私。


私は、ポツリ ポツリと話し始めた佐々木さんの話に、さも 興味があるかのように頷く。


いつまでも話をやめようとしない佐々木さんー。


…焦れったい。


もうっ。

これじゃ こちらが 焦らされてるみたいだ。


負けないぞ!
と、軽く遊び心で誓い、今度は 顔を覗きこむようにして頷き始める私。


今度は 早かった。


佐々木さんは あっという間に私を抱き寄せて、キスしてきた。


そして、荒い鼻息とも溜め息ともつかぬ音をたてたかと思うと、熱い舌を激しく絡めてきた。
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