恋をしてたら…
そんな訳で、その日以降家庭は円満だった。


まず何より、私が満たされている事ー。

だから、以前のように、イライラする日が少なくなった。


それに若干の負い目ー。

家族を騙しているという負い目が、
「料理ぐらいでは 尽くしてあげなきゃ。」
という気にさせる。


でも、結局の所、
何より大きい理由は、

『目に見えぬライバル』

なんだろうなぁ…。


「佐々木家では今夜は何を食べるのだろう…?」
「おかずは何品?」

と考えながら夕食を作るのが、いつしか当たり前になっていた。


目に見えぬライバルに負けたくなくて頑張る私。


妻として、負けたくなくて、頑張る私がいたからだ。



つまりは やっぱり 佐々木さんだ!


私の興味のほとんどは 佐々木さんに向かっていて


夕食の品数が増えようが

私の小言が減ろうが


きっかけは やっぱり、佐々木さん!って事か。
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