恋をしてたら…
拒絶
佐々木さんとの甘い時間とは違い、
家庭での生活は、ただただ、慌ただしくて、
現実味をおびたものだった。
だから、
「もう抱かれるな」
と言われた事など、すっかり忘れていた。
なのに、なぜだろう?
パパが 私を抱き寄せた瞬間、
私の体は 素早く反応した。
体を よじるようにして、
反射的にパパを よけてしまった私。
パパは 驚いた顔をして 私を見た。
『まずい!』
そう 思った私は、
嫌悪感を隠しながら
笑顔で 言った。
「やだぁ~。セクハラオヤジみたい。」
パパは 一瞬 奇妙なものを見る目で 私を見たけど、
すぐに 笑いながら 行ってしまった。
『怪しまれた?
まさか、バレてないよね?』
心臓がドキドキいっていた。