涙のあしあと。
へこんでるあたしをよそに
小百は言った。
「そうだそうだ。この前合コンした前田さん、どうなった?」
「え…?あ、うん。」
「あっもしかしてまた振ったの!?」
「振ってないよ~告白されてないし。」
「でもさ~なんかもったいない~」
小百はそのあとしばらく
ぶーぶー言っていた。
(前田さんかあ…)
きらいとかじゃないし
あたし自身調子乗ってるとかじゃないけど
好きになることはできない。
だってそれはあっちのため。
元・男の子と付き合えないでしょ?どうせ。
「ねえねえ、今日も合コンあるんだけど~」
「そうなんだ~どういう人?」
「美容師だって。いい人いるかもよ~」
「うーん…あは。」
「あは、じゃないよ~。行こうねっ!」
小百は そう言って更衣室からでていった。
(もういいのに。)
恋愛はしないって言ってるのに。