見えない世界

*変なやつ

『役に立ちまくってるから!』


聞いたことない声がした。


後ろを見ると
一人の男の子がいた。

制服を着ていて
多分あたしと同じ世代。


「あんた、誰?」

『俺は服部』


忍者か!と言いそうになり
急いで口を塞いだ。


『お前、吉野りこだろ』


なんで知ってるの?
と聞く前に服部が答えた。


『あんたは俺達死んだ
やつらの中じゃ有名なんだ。
あんたの近くに居れば
成仏出来るって。 』


だからあたしの近くに
いつも何かしら憑いてるのか…


『近くにいるよりも触ったり、
引っ張ったりした方が
早く成仏出来るんだけどね。
てかそれやっちゃうと
あんたに

“幸せが寄ってこない”

から俺はやんないけどね。』




はぁ!?




思わず大声を出してしまった。
皆には見えないから
大声出してるあたしは
ただのおかしい人。


服部という霊の言ったことを
理解しようとあたしは
頭をフル回転させた。





が馬鹿なあたしが瞬時に
考えをまとめることは
出来るはずは無かった…



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