ラヴァーズ・インザ・ダストボックス
目が覚めてからもその映像は目に焼きついていた。

気分が悪い、そう思ってしまう自分に嫌気がし、心はさらに沈む。

まるで二日酔いの体に、追加でビールをジョッキ三杯分、流し込んでしまった感じ。


心が重い。

ズシリと重い。

黒い塊が支配しているみたい。

それでも何故か今すぐに起きなければいけない気がして、体を起こそうとするのだけど、僕の意思に反して体は動かない。


急げ。


今すぐに。


早く。


起きなければ。


しかし、体は動かない。

黒い塊が込み上げてくる。

僕の全てを飲み込もうとしているかの様だった。


心が無くなってしまった気がした。

あやふやな感じだ。


仕方がない、このまま身を任そう。

それが良い。


目を閉じよう、目を閉じるんだ。

何も見たくはない。


耳を塞ごう、耳を塞ぐんだ。

何も聞きたくもない。


拒否する。

僕は拒否する。

全てを拒否する。

曖昧な笑顔で。
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