ラヴァーズ・インザ・ダストボックス
半年前にした、彼女との会話を思い出す――。




「進学せえへんの?」


「たぶん、就職かな。進学やったら、東京か大阪やな」


「大阪なら遊びに行けるかな。東京やったら……遠いなぁ」




――嘘が下手な僕はすぐにそれが顔に出る。

電話で良かった、そう思った直後、数秒の沈黙に気付き、僕は慌てて言葉を探す。


「あのな」


「進路決まったら、教えてな」


「……うん、報告する」


僕の言葉を遮ったのは、きっと、彼女の頭にも同じ場面が浮かんでいたからだ。


加速する不安とズレだす時間から、僕は逃げ出す。

ベッドに潜り込み、夢の中へと。
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