ラヴァーズ・インザ・ダストボックス
いつからか、空を見上げるようになっていた。
飛ぶ鳥を眺めるようになっていた。
鳥にだって羽根を休める場所がある、なんてことを考えもしなかった僕は、ただただ、自由に空を舞う鳥が、その背中の羽根が羨ましくてしかたなかった。
幼かった頃、飼っていたインコが逃げてしまった事がある。
僕が外で鳥かごを開けたからだ。
親にどうしてそんなことをしたのか、と聞かれた僕は、鳥が空を飛べないなんて可哀想だ、そう答えたらしい。
「今だって遠距離みたいなもんやし、変わらへんよ」
久しぶりのデート。
別れ際にそう言った僕。
何も言わず微笑んだ彼女。
お互いの家までの距離は変わらないのに、心の距離まで遠くなり、会わない期間が長くなり、電話での会話の時間は短くなっていた。
零れる溜息を拾い集め、心の隙間に詰め込む僕を、沈む夕陽が笑っていた。
飛ぶ鳥を眺めるようになっていた。
鳥にだって羽根を休める場所がある、なんてことを考えもしなかった僕は、ただただ、自由に空を舞う鳥が、その背中の羽根が羨ましくてしかたなかった。
幼かった頃、飼っていたインコが逃げてしまった事がある。
僕が外で鳥かごを開けたからだ。
親にどうしてそんなことをしたのか、と聞かれた僕は、鳥が空を飛べないなんて可哀想だ、そう答えたらしい。
「今だって遠距離みたいなもんやし、変わらへんよ」
久しぶりのデート。
別れ際にそう言った僕。
何も言わず微笑んだ彼女。
お互いの家までの距離は変わらないのに、心の距離まで遠くなり、会わない期間が長くなり、電話での会話の時間は短くなっていた。
零れる溜息を拾い集め、心の隙間に詰め込む僕を、沈む夕陽が笑っていた。