ラヴァーズ・インザ・ダストボックス
ベッドの上のブランケットを取って彼女の肩に掛けた。
これは同情か? 同情だろう。
自問自答しながら、失礼なことだ、そう思いながら、それなのに僕は、後ろからそっと彼女を抱きしめる。
幼稚で、拙く、甘い、そんな心で。
「優しくするのは好きな女だけにって、そう言うたはずやで?」
うつ伏したまま彼女が言う。
怒っているような、でも優しく子供を諭すような、そんな声で。
「すみません。起こしました?」
「答えて」
「……好きなひとには三倍やさしくします」
「アホやな君は……」
彼女は僕の手を解くと振返り、「ガキのくせに」と言ってから少し微笑んで、僕の首にその手を回した。
これは同情か? 同情だろう。
自問自答しながら、失礼なことだ、そう思いながら、それなのに僕は、後ろからそっと彼女を抱きしめる。
幼稚で、拙く、甘い、そんな心で。
「優しくするのは好きな女だけにって、そう言うたはずやで?」
うつ伏したまま彼女が言う。
怒っているような、でも優しく子供を諭すような、そんな声で。
「すみません。起こしました?」
「答えて」
「……好きなひとには三倍やさしくします」
「アホやな君は……」
彼女は僕の手を解くと振返り、「ガキのくせに」と言ってから少し微笑んで、僕の首にその手を回した。