ラヴァーズ・インザ・ダストボックス
「どうしたの? 急にボーっとしちゃって」


そこには、不思議そうな表情で僕を見る彼女が居た。


僕は自分の胸を確かめる。

何ともない。

胸に手をやりながら、彼女の手を見た。

何も持っていない。


リボルバーは何処にも見当たらなかった。


まだ不思議そうな、そして少しだけ不安そうな彼女に、僕は言った。


「夢を見てたんだ」


「夢? 寝てたの?」


彼女は可笑しそうに笑っていた。
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