☆でぃくちょなりぃ☆
ビニール傘って何?


降り出した冷たい雨の中、道端でひとりぼっち。


寂しそうに震えていたキミ。


不意に足を止めて、握りしめたそんなキミの白い手はどこか冷たくて…。


そんなキミからこぼれ落ちる雨の滴は、まるでキミが零す涙のようで…。


降りしきる雨に比例して、とめどなくキミの頬を伝う。


それでもキミはただ何も言わずに、静かに僕を守ろうとしてくれた。


ただ、キミの鼓動のような悲しい雨音だけが辺り一面に響いてた。


キミに当たる冷たい雨は、キミにとってどんなに痛かっただろうか。


錆びついて…折れてしまって…もうボロボロで…。


自分を犠牲にしてまで“誰か”を守り抜くことは、どんなに辛かっただろうか。


キミに感情はなくても、キミに言葉はなくても、キミの“生き様”から、“大切なこと”を教わった気がする。


ありがとう。


< 157 / 168 >

この作品をシェア

pagetop