この世界は残酷なほど美しい
苛立ちを抑えようと必死になっているとき、自分の部屋の携帯が鳴り出した。
僕はその音に導かれるように部屋へと向かった。
着信は蓮からだった。
「はい?」
『流星、お前何で学校来ないんだよ!もう三日目だぞ!』
「ちょっと探し物しててさ。明日は行くよ」
『探し物ってなんだよ?何か無くしたのか?』
蓮、僕が無くしたものなんて幾らでもあるよ。
「強いて言うなら…自分かな」
僕は笑いながらソファに座る。すると電話越しの蓮が急に黙りこんだ。
ちょっと、僕の冗談は通じないの?
僕が無くしたものは自分自身だけど、蓮なら冗談で通ると思ったんだけど…
「れーん?」
『何か俺に隠してることないか?』
「はぁ?」
いきなり何を言い出すんですか。
僕の頭がついていきませんよ。
首を傾げて考えてみるがやはり何も浮かんでは来なかった。