この世界は残酷なほど美しい
「慣れてるってなに?そんなの慣れるわけないじゃん。慣れてないから莉子は今泣いてるんだろ?人間は本当は弱いって言ったのは莉子でしょ?何をそんなに強かってるの?」
莉子から一度も目を離さずに、ずっと見つめる。
少し赤くなった莉子の瞳からまた涙が零れた。
「…流星」
「ダメじゃん。一人で色々溜め込んだら。そのうち爆発しちゃうよ」
蒼空に浮かぶ太陽が僕たちを優しく見守っていた。
その瞬間でさえ莉子を愛しいとさえ思う。
そして時間が止まって欲しいと何度も思う。
「流星はあたしのことおかしい奴だって思ってる…?」
莉子はゆっくりとこう言い、僕を見上げた。
その姿がどこか幼く、そして可愛く見えた。
僕の理性はきっとこの時にぶっ飛んだのだと思う。
「おかしいなんて思わないよ…。だって僕は…」
気づいたとき、僕は莉子の腕を引き、両腕で包み込んでいた。