この世界は残酷なほど美しい
自分でも驚いてしまう。
まさかこんな僕が誰かを抱きしめるなんて。
人より一歩手前を歩いていた僕がまさか。
だけど肌から伝わる莉子の温もりが太陽の光なんかより心地が良くて、いつまでもこうしていたいと思った。
突然抱きしめられた莉子はしばらく硬直していた。
だけど呼吸の音は聞こえてくる。
その音が余計体を熱くさせた。
「りゅ…流星」
僕の名前を呼ぶ莉子。
さらに僕は強く抱きしめた。
「…ごめんね、莉子。僕はもうダメみたいなんだ」
「…どういう…こと?」
「なんていうか…僕が爆発しちゃったみたい」
ごめんね、でも止められないんだ。
僕は恋愛初心者だし、こういう時ってどうしたらいいのか本当に分からない。
蓮だったらどうするだろうか。
「流星?」
莉子がもう一度僕の名前を呼んだ瞬間、僕の気持ちは加速した。
キミは何て思うかな。
僕がまさかこんなことを言うなんて想像もつかないでしょ?
でも本当だよ。
僕は…キミが―…
「僕…莉子が好きみたいなんだ。」
好きなんだ。