この世界は残酷なほど美しい
振られるのが恥ずかしいと思っていたのなら撤回をしよう。
そんなのちっとも恥ずかしくもない。
誰かを好きになることが出来たのだから堂々としていればいい。
だけど悲しいかもしれない。
もし悲しくなったのなら泣いたらいいさ。
涙はそのために存在をしているのだから。
そういう時に使わないと涙も干からびてしまう。
振られたっていいさ。
自分が無くなるわけではない。好きという感情が無くなるわけではない。
その感情はまた再生を繰り返す。
そう考えたら何だかスッキリした。
「人を好きになるってことは奇跡…か」
「そうだ。だって流星に振られた女の子なんていっぱいいるんだぞ?そういう子にもう彼氏がいたりするし、それは立ち直れたからまた人を好きになったんだ。俺は成功、失敗よりも好きになるっていう感情を誇りに思えばいいと思う」
前髪から覗く蓮の瞳が眩しかった。
鮮やかな夕陽の色のせいかもしれないが胸を打たれた。
コイツ、いいこと言うじゃん。今回は負けたよ。
きっと蓮がいなかったら僕はずっと成長しないまま時間だけが過ぎていたと思う。