この世界は残酷なほど美しい


神様が実在するのなら教えてもらいたいよ。
話す機会があるのならば道標もして欲しいよ。
そして少しだけ未来を覗かせて欲しい。
未来の僕は笑っているだろうか、泣いているだろうか。
隣には誰がいるのだろうか、それとも一人ぼっちなのか。

ちょっとだけ興味がある。



「神様だけ…か。僕決めたんだ。莉子の返事はもう少し自分が大人になって聞こうって。今は色々と考えることがあるからさ。」



「そっか。それがいいかもね。あのね、流星くん?忘れてると思うけど私も返事もらってないのよ?」



奈緒子は立ち止まり、真っ直ぐと僕を見る。
唐突のことで頭が一気に真っ白になる。
そうだ、そうだった。
僕は奈緒子の気持ちを知っておきながらいつもと変わらない態度をしていた。




「…僕は奈緒子のこと何も知らない…」



「うん、そうだね。流星くんはあまり私のこと聞いてこないもんね」




教えてよ。
キミの中を覗かせてよ。





「…奈緒子は一体何を隠してるの?」



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