この世界は残酷なほど美しい
そりゃそうだよな…と納得する俺。
じゃあ一体誰が…?
「もしかしたら、アイツなら知ってるかもな?」
「アイツ?」
不思議そうに春さんを見ると彼女はにやりと笑って僕を見た。
「雅の親友のヒカル!そういえば日記を買ってきたのはヒカルだって美羽は言ってたし、もしかするとヒカルが日記を持ってるのかもしれないな」
斉藤ヒカル。
春さんの言うヒカルという人物は、父さんの親友でもあり母さんの同級生でもある。
そして蓮の父親にあたる。
そういえば母さんが死んだ日、一番に病院に来たのはヒカルさんだった。
ヒカルさんはあの時なぜ父さんを連れてこなかったのだろう。親友ならば無理矢理にでも母さんに逢わせたはずなのに。
ますます訳が分からなくなってくる。
一度絡まってしまった糸をほどくのにかなりの時間がかかりそうだ。
「蓮の父さんに話を聞こうとするとアポを取らなきゃいけないし、すぐには話せそうにないかな…」