この世界は残酷なほど美しい


人間は寂しいから人間を求めたくなるのだと思っていた。
でも流星くんはそうではないようだ。
告白されても一度もOKはしたことはない。
かといって他に好きな人もいないようだ。

流星くんに一体何があったのだろう。
もし昔の流星くんに戻るチャンスがあるのならば自分を犠牲にしたってかまわない。


そんな入学式から数日が経ったとき、ある一人の男の子から告白をされた。
名前は野中大和くん。
入学早々先輩と喧嘩をして停学になったという話をつい最近聞いたばかりだ。
なぜ私を好きになったのだろう？接点などないのに。


私は遠回しにその告白を断った。
だが彼は「好きな人がいてもいいから」と必死にそう言った。
無理矢理だったが渋々納得した私は野中くんとの付き合いがスタートした。


野中くんは私が流星くんを好きなことを知っていたし、前に「流星くんは憧れ」と言ったときにきっと彼は「それ以上何もない」と勝手に思ったのかもしれない。


でも気持ちは離れていても、繋がってはいなくても、知らないうちに膨れ上がっていくの。




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