この世界は残酷なほど美しい
父さんが言っていた言葉を思い出した。
「人生の意味を知っているか?」
当時の僕にとってそれはどうでもいい話だった。
だけど、父さんと母さんの想いを聞いたらそう思ってしまった自分が情けなく、小さな人間だと感じた。
「人生は人の為に生きるから人生なんだ。」
そうだね。
その言葉がとても深く、僕の心にずっと残っている。
僕は…うん。
誰かのために生きたいと思っているよ。
ゆっくりとページを捲っていく。
久しぶりに見た母さんの時。
丸っこくて可愛くて、脳裏に母さんの残像が浮かんでくる。
「…久しぶりだね。母さん」
僕は感じたんだ。
母さんの温もりに包まれるような感覚を。
温かくて優しくて。
久しぶりに感じたそれは僕の涙腺を刺激した。
あの日の記憶を。
あの時消してしまった自分を。
僕は探していく。