この世界は残酷なほど美しい



雅と出逢ってから、私の人生は輝いていた。
あの日大切な人を失った私は、どうすることもできなくって、死んでしまいたいと思っていたから。


でも雅が私を助けてくれた。
雅は私のヒーローだった。



雅…私はあなたに出逢えて本当に良かった。
可愛い子供、流星に逢わせてくれたのも雅のおかげ。


でも…寂しいよ。


寂しいんだよ…。


今まで触れられたものが触れられなくなるって考えると怖いの。
流星の愛らしい寝顔や、笑顔。「ママ」と寂しそうに呼ぶ声が全部無くなるって思うと…

苦しいの、辛いの。



雅、流星。
ママのこと忘れないでね。
私は星になってあなたたちを照らすから。




大好きだよ。
愛してる。


私を愛してくれてありがとう。




6月10日。
入院生活スタート。
どうやら私の命はあと少しらしい。
はっきりとは担当医から言われなかったけれど、自分の体だからそれくらい分かる。

しょうがないよね。
神様が決めた道なのだから。



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