この世界は残酷なほど美しい
誰かを好きになるのは奇跡で。その奇跡を可能性に変えていく。
人間ってすごいじゃん、と生きている自分を尊敬するよ。
「ありがとう、流星。でもあたしにはどうしても逢いたい人がいるから。あたしはその人とね、恋がしたいの。また逢えるって信じてるから。叶うまでずっと待つの。」
莉子は頑張り屋さんだもんね。きっとその願い叶うと思うよ。
「そっか。…莉子、これ。預かってたんだ」
「え…」
僕は彼から受け取った写真集を渡した。
莉子は目を丸くさせてその写真集を受け取る。
そして大粒の涙をぽたりとアスファルトに落とした。
それは可愛らしい水玉を描いた。
そして一ページ目を捲った莉子は、ただ…ただ何も言わずに涙を流していた。
“流れ星の意味を覚えてる?”
その意味を僕は知っているよ。
“流れ星って誰かの願いが叶う頃に流れるんだ―…”
「莉子、ありがとう。僕は莉子に出逢えて良かったよ。これからも僕は成長していく。そしてまた誰かを好きになって…幸せにしたい。」
「流星ならできるよ。いろんな世界を見て…肌で感じて。そうしたらもっともっと幸せになる。ありがとう。流星…」