この世界は残酷なほど美しい
僕の幸せはたぶん、僕のために笑ってくれる人がいるということだと思うんだ。
笑顔は人を幸せにする。
泣いてる人に「大丈夫?」と聞く前に隣に座ってあげることも一つの勇気なんだ。
そして笑ってあげられたら、きっとその人の心は晴れていくから。
たくさん笑おう。
思いきり笑おう。
僕はもう大丈夫だ。
「じゃあ…行くね」
莉子は大事そうにその写真集を持って屋上を後にした。
「母さん、僕ちゃんと笑えてる?」
すると屋上にある人が入ってきた。
「奈緒子…」
「私はずっと待ってるよ。待つの嫌いじゃないから…」
「ははっ。奈緒子はそんなに僕が好きなんだね」
「そんなこと言わなくても分かってるくせに!!」
奈緒子は軽く僕の肩を殴り、頬を膨らませた。
そんな奈緒子が可愛く見える。
だから僕は笑ってみせた。