この世界は残酷なほど美しい
~エピローグ~
カシャッ…とシャッター音が鳴り響く。
僕がオーストラリアに来てそろそろ一年が経とうとしていた。
オーストラリアは日本と違い暑いけれど、僕はそんなオーストラリアが好きになっていた。
人も温かいし、何と言っても夜空に散らばる星が絶景だった。こんな世界があったなんて。
僕はまた成長したのではないかと思っている。
ポケットから星形の折り紙を取り出す。
それは出国する前に奈緒子からもらったものだ。
常に持ち歩いているためかなり汚れてしまっている。
それを開くとあるメッセージが込められていた。
“ずっと待ってるから”
僕はそれを見てにっこりと笑う。
そういえば最近良いことがあったんだ。
先日届いた莉子からのエアメール。
その内容は…、
“流星!好きな人に逢えたよ!私の願い叶ったの!信じて待ってて良かった!ありがとう!”
莉子はどうやら好きな人と再会できたらしい。
きっと今頃二人は笑い合っているのだろう。
想像したらちょっとだけ恥ずかしくなった。
「…にしても遅いなぁ。蓮の奴」