この世界は残酷なほど美しい
新しい一面を知れたからかな。ありがとう、莉子。
だけど…どうしてかな。
一度好きだと思った気持ちは、いつか無くなってしまうことが理解できないよ。
好きだと確信したのに、なぜそれは消えてしまうの?
それはあまりにも脆かった。
「莉子の好きな人ってどんな人なの?」
「えっと、もう随分逢ってないからなぁ…。あっ、流星と少し似ています!」
可愛い顔してそんなこと言わないでよ。
ほら…また知らない感情が芽生えてきた。
「僕に?」
「はい!彼も星が大好きなんです。彼の影響であたしも星が好きになったの。」
あぁ、そうなんだ。
莉子が僕を見て嬉しそうに笑うのは彼のフィルター越しに僕を見ているからだ。
莉子は最初から僕自身を見てなんかいなかった。
悔しい、なんかすごく。
逢ったことないけど負けた気分。
別にいいや、僕には関係ないよ。
莉子が誰を好きかなんて。
僕には…ぜんぜん関係ない。