この世界は残酷なほど美しい



「何でそんなこと言ったんだよ。しかも好きな人が出来たって?お前の好きな人は花音じゃなかったのかよ。」




言葉を続ける僕に蓮は黙ったままだった。
弁解できないくらい頭が回らないのか、図星なのかわからないが、蓮がこんな薄情な人間だとは知らなかった。



「花音にちゃんと説明しろよ。蓮は一方的すぎる。そんな適当なヤツだったっけ?もっとちゃんと……」



言葉は突然途切れる。
何故ならば蓮がこちらを眉間に皺を寄せて鋭い目付きで見ていたからだ。
僕は思わずでかかった言葉を飲み込んだ。



「お前に何が分かるんだよ。」



「……はい?」




「人を好きになったこともねぇのに、お前にそんなこと言われたくねぇ。俺だって色々考えたんだ。結果花音と別れるしかなかった。それくらい好きになったんだ。お前にどうこう言われる筋合いない」




そしてゆっくり本鈴のチャイムが校内に響いていった。





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