甘い涙
 梅雨の時期なのに、めずらしく綺麗な夕日が落ちていく。
 いつもの杉崎くんからのメール。
 変わらない優しさが溢れている。
 私は、いつまでこの優しさに甘えるつもりなの?
 私は、いつになったら慣れる事ができるの?
 「こんな私の事、いつまで好きでいてくれるんだろう?」
 ももを膝に乗せ、頭を撫でる。
 ももは、ゴロゴロとのどを鳴らし、そのまま眠ってしまう。
 明日、初めて学校以外で会う約束をした。
 漫画やドラマだったら、何を着て行こうかファッションショーをしているだろうけど、
そんなに迷うほど、服など持って居ない。
 普段着ている物しか、どこをどう探しても有りはしないので、服探しをやめたところだ。
 綺麗な満月が窓から見えた。
 ももの寝息が静かな部屋に響いていた。
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