パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~
「はい!雨宮です」



不安と心配で心臓が張り裂けそうになる。
ケガしたのか…
熱出したのか…
何かあったら…
桜に何かあったら……



「あぁ、良かった。やっぱり繋がらないんじゃないかと思って、切るとこでした。私、桜さんの小学校で養護教諭をしている榊(さかき)と言います。お忙しい所、すみません。あの…今、大丈夫でしょうか?」



「はい…、あの、桜に何かあったんですか?」



「はい。あの、今、保健室で寝てもらってるんですが。熱が38度7分もあって。どうしたらいいですか?本当ならお家へ帰らせてあげたいのですが、お迎えは無理ですよね?緊急連絡先のおばあちゃんのお家の方へも連絡させて頂いたのですが、お留守のようで。すぐに病院で診て頂いた方がいいと思うのですが…。どうしたらいいでしょう?」



熱?
38度7分?



奈桜の頭の中には顔を熱で赤くした、呼吸が荒くしんどそうな桜の姿が浮かんだ。
すぐ迎えに行きたい!!
でも……
でも……



いや、今、『1番』なのは何?




今、桜を迎えに行けば仕事に差し支える。



そして、梓への想いが引きちぎられて行く。

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