パパはアイドル♪vol.２ ～奈桜ｸﾝの多忙なｵｼｺﾞﾄ～
この世界、絶対に自分１人の力では成功出来ない。
売り出す為にどれだけのお金が動く事か・・・
裏でのこんなかけ引きや、やり取りはあってもおかしくない。
所詮、この世界は『勝ち負け』の世界なのだ。



彼らはかけ引きに負けた。
Ｚの方が選ばれた。
おそらく、奈桜の事務所からも圧力がかかったに違いない。



でも・・・



そんな事は、やはり、いちタレントが気にする事ではないのだろう。
同情で渡り合えるほど、気楽な世界じゃない。
きっとどこの世界でもそうだ。
強いものが勝つ。



一生懸命だけじゃ、あのライトが当たったステージには上がれない。



「歌える事に感謝だな・・・」



みんなに支えられてここにいる。
なんだかんだ思うより、まずはその事に感謝して精一杯の気持ちを歌に込めよう。
聴いてくれる人の為に。




「まずは・・・、打ち合わせだな」



奈桜は頷いて歩き出した。




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