パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~
「ただいまぁ!!」
最高に嬉しそうな声で言いながら、奈桜がリビングに入って来る。
「お帰りなさい!!」
桜も満面の笑みで奈桜を迎える。
この所、ずっと奈桜の帰宅は深夜だった。
しかもドラマやバラエティーのロケが重なり、早朝には家を出ていた。
桜とゆっくり過ごせるのは、いつぶりだろう。
「パパ、一緒にお風呂、入れるよね?」
「もちろん。入浴剤、ピンクのやつ、入れたか?」
「うん!」
奈桜は桜の香りのする、ピンクの入浴剤がお気に入りだった。
それは娘と同じ名前という事も少なからず関係しているだろう。
「おばあちゃんは?ご飯、食べたのか?」
「優子さん?今日はパパが早く帰って来るからって、さっき帰ったよ。なんかね、空港に迎えに行くって」
「空港に迎え?・・・韓流スターか・・・」
奈桜の母、優子が忘れて行った雑誌の表紙を眺めながら笑った。